志村税理士事務所
Tax Attorney & Financial Plan Office
法律を知らない相続人ほど恐ろしい者はないシリーズ  
~相続ってなにかなと思っているみな様へ~

***相続ってこんなもんだよ!読んでみて!ちょっと気持ちが軽くなるかも?****

最新のものから表記しているので、下方は前回、前々回・・・の内容。是否、全部読んでもらって、マインドを共有したいなと思います。内容のグレードはこれから々々々・・・だんだん上げていきます。


【その1-2】 夫がくも膜下出血で突然亡くなりました、妻である私は如何したら・・・・

 先日、食品の卸会社を経営していた顧問先の社長がくも膜下出血で突然お亡くなりになりました。幸いな事に会社の運営に関しては社長と苦楽を共にした専務がいますので何の問題もありません。
 しかし、社長が所有していた預貯金・土地・建物・会社の株式その他生命保険金等をどのように処分したらいいのか奥様には見当が付きません。亡くなられた社長にはお子様がいないため誰にも相談することができず、日頃面識のある私の所へ相談に見えました。

 相続は遺産を分割継承することにより完結する。
 
志村: それは、遺言書がない状態でこの相続を完結させるためには、社長のお姉様と弟様の同意が必要になるからです。
 
奥様: え、、、どうして義姉と義弟の同意が必要になるのですか!!!
私たち夫婦には子供がいませんので義姉と義弟が法律上は相続人になることは知っています。
しかし、夫の財産は私と夫の協力のもとに築いてきたものです。どうして義姉と義弟の同意が必要になるのですか???。
妻としての私が決めれば良いことです。
 納得できません!!!

志村: 奥様の気持ちは良くわかります。本当に良くわかります。
しかし、申上げにくいのですが、ここで言う同意とは、社長のお姉様と弟様に社長の相続人として財産の一部を相続して貰うと言うことです。
 
奥様: はい、もちろん少々のお金は渡す積りです。
それで十分と思います。・・・・(怒) 
志村: ・・・そうですか・・・。(トホホ・・・気を取り直して)
 お姉様と弟様との面識がりませんし、どの様な生活をなさっているのか存じ上げないので軽々しく言えませんが、社長とお姉様と弟様の関係は如何なものでしたか?
 
奥様: 言いにくいことですが、あまりいい関係ではありませんでした。
 義姉は姉と言う事で私たち夫婦の事に色々な口出しをしてきました。
義姉夫婦が自宅を購入するときは資金が足りないので融通してほしいと言う事でお貸ししましたが返して貰っていません。
夫は「姉には十分な事をしてあるので心配いらない」と言っていました。
 義弟は仕事を転々としていたので生活の面倒を夫が見ていた時期が相当期間ありました。
結婚を機に自立させるため家も手配してやりました。それでも、義弟の嫁からお金を私に内緒でせびられたりしていました。
とにかく、夫が義姉、義弟の犠牲になったようで私は恨みに思っています。
 
志村: なるほど。どこの家庭も似たようなものですね。
そうすると、弟の方は自分の取り分を主張するために電話を入れてきているわけですね。
何か要望を言っていましたか? 
奥様: 「兄は仕事を手広くやっていたけど預金は相当貯まっているよね」とかでした。
 
志村: なるほど現金が希望みたいですね。
とにかく、お姉様と弟様と会っていただかないと前に進みませんね。
 
奥様: 本当に会うって話す必要がありますか?
 
志村: あります。
相続は、遺言書がない場合、法定相続人全員の合意のもとに遺産分割協議書を作成しないと終了しません。
その遺産分割協議書に基づいて預金の解約、土地・建物の登記等が行えるようになります。
 
奥様: では・・・、私と義姉と義弟は同じ立場と言う事ですか?????
まさか、そんな莫迦なことがあるものですか!!!!!(怒)
 
志村: 奥さん・・・まあマアまあマアまあ・・・・・(トホホ・・・・……)
 
   
【その1-3】へ続く

【その1-1】 夫がくも膜下出血で突然亡くなりました、妻である私は如何したら・・・・

 先日、食品の卸会社を経営していた顧問先の社長がくも膜下出血で突然お亡くなりになりました。幸いな事に会社の運営に関しては社長と苦楽を共にした専務がいますので何の問題もありません。
 しかし、社長が所有していた預貯金・土地・建物・会社の株式その他生命保険金等をどのように処分したらいいのか奥様には見当が付きません。亡くなられた社長にはお子様がいないため誰にも相談することができず、日頃面識のある私の所へ相談に見えました。

 相続は人の死亡をもって開始する。
 
奥様: 先生、時間をとっていただいてありがとうございます。夫が亡くなって2ケ月ほど経ちましたので少し落ち着いてきたところです。
 
志村: お久しぶりですね。お顔の色も元に戻れたようで安心しました。
 
奥様: 本日は、夫の相続に関していくつかお聞きしたいと思っております。
 
志村: 会社の法人税の顧問、個人の賃貸マンション等の所得税の顧問をさせていただいておりましたので何なりとおっしゃってみてください。
 
奥様: 実は夫の弟から「兄の相続をどのようにお考えか?」と言う内容の電話が頻繁にかかってきています。
 
志村: 奥さん、亡くなった社長にはお子様いらっしゃいませんでしたが、社長のお父様お母様はご健在でしたでしょうか?
 
奥様: いいえ、義父も義母もすでに他界しております。
 
志村: そうすると、亡くなった社長のご兄弟はいらっしゃいますか?
 
奥様: はい、姉と弟がいます。
 
志村: なるほど。奥様は、亡くなった社長と「もし、社長が亡くなった場合はどのようにしたら良いかと言うような話をしたことはありますか?
 
奥様: はいあります。夫は、「会社は専務に任せれば大丈夫だから任せなさい。専務の長男が当社の課長として成長し専務の後継が可能なので、会社の株式はすべて専務に譲渡しなさい。その代わりと言っては何だが私の死亡退職金をしっかり貰いなさい。」というような内容でした。
 
志村: それは会社に関することですが、それ以外の個人的なことについては如何ですか?
 
奥様: はい、「預貯金は現段階で十分ある。」ので心配ないとの事でした。
 
志村: それらの事は文章で残っていますか。
 
奥様: はい、夫は69歳でしたので「いつ何があるか分からないからそろそろ遺言書を作成しないとな」と言ってました。
 
志村: なるほどそうでしたか。実は、半年ほど前に社長から「先生、自分も来年70歳になるし、子供がいないから遺言書を作成したいので手を貸してくれ」と言われたところでした。
 
奥様: そうでしたか。いろいろ考えていてくれたんですね。
 
志村: 当職としては、個人財産の洗い出しをして原案はこれからというところでした。問題ですね!!!
 
奥様: ??? 何が問題なのですか ???
 
   
【その1-2】へ続く